石川県金沢市のコステム社会保険労務士事務所の代表を務める。厚生労働省や都道府県等のホワイト企業認定マーク取得、㈱ワーク・ライフバランス認定「働き方見直しコンサルティング」、クラウド勤怠管理システム導入など採用力・定着力向上のための働きやすい職場環境づくりを支援している。講演実績としてアサヒビール(株)、コクヨ(株)、(株)デンソーセールス、農林水産省など。 プロフィールはこちら https://www.costem-sr.jp/about/profile
130万円の年収の壁への対応はどう変わる?国民年金・健康保険制度の扶養について(2023.9.27時点)
法改正・変更社会保険手続
松林 大樹コステム社会保険労務士事務所 代表
現在、日本において「130万円の年収の壁」という問題が浮上しています。
これは、年収が130万円未満の従業員が健康保険や年金など社会保険上の扶養家族となるための条件となる壁のことを指します。
この制度により、年収に制限が出来ることによって、労働時間の抑制に繋がり、人手不足問題が拡大するなど経営課題となっています。
本記事では、現在の厚生年金・健康保険制度の扶養の変革に向けて2023年9月に公開された国の対策について、企業が何を取り組む必要があるのかを紹介します。
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130万円の年収の壁とは?
健康保険や年金制度で、家族を扶養に追加する際の要件の一つに130万円の年収要件があります。
この130万円を超えてしまうと、扶養していた家族が扶養から外れ、家族が自分で国民年金や国民健康保険に加入する必要があり、保険料負担が増えて、手取りが少なくなったり、会社から支給されていた配偶者手当の支給がなくなるなどマイナス面が多かったため、もっと長い時間働けるけれど、あえて130万円を超えないよう労働時間を抑制することが行われていました。
最近では、最低賃金の改定・人手不足による時給の上昇などで時間単価があがったことや、コロナ対策で支給された危険手当などによって、更に労働時間を抑制しなければいけない問題が発生していました。
国から公開された年収の壁対策とは何?具体的に企業は何をしたらいい?
- これまで130万円を超えそうな段階で扶養を外したりしていたのを、一時的に収入が増えたことを扶養家族を雇用している事業主が証明することで最大2年扶養を外さない特別な対応が発表されました。
- 事業主が何を証明したらよいか?証明書の記載内容などは現時点では不明です。
- 一時的に収入が増えたということが、どういった場合に認められるのか?についても詳細は現時点では不明です。
参考:いわゆる「年収の壁」への当面の対応について(令和5年9月27日 厚生労働省)